ENISHI
本作では、施主と建築家(前田)の脳波を携帯型の脳波測定器により測定し、それをモーフィング(形態変換)した形状から建築空間・形態が導かれています。因みに、このプロジェクトは本コースの演習パートの講師を務める建築塾第3期生・辻真悟(CHIASMA Factory)との協同設計です。現在、設計は終了し、台湾島の西方約50kmに位置する「澎湖島」にて施工中。
-設計 :前田紀貞アトリエ一級建築士事務所+CHIASMA Factory(辻真悟)+Proxy NY+台湾 謝宗哲チーム(謝宗哲+翁廷楷)
-構造設計: 陳冠帆
ENISHI RESORT VILLAは台湾本島の東側にある「澎湖島(Penghu Island)」という島に建設されます。 この島、実は台湾でも指折りのビーチや極上の海鮮料理(安くてムチャクチャ美味い!)で有名なのですが、日本ではまだ知る人ぞ知る場所。というわけで、台湾本島と比べると、日本人の旅行者にとっては少し不便かな?というところはあるかもしれません。
設計は、日本・台湾の建築家のコラボレーションで行われています。施工は台南に本社がある偕展營造有限公司。
澎湖はもちろん台湾でもまだ例が少ない打ち放しコンクリート、しかも日本のようなピカピカの打放し型枠ではなく、現地で一般的な「パネル型枠」を使ったそれで、“100年保つ頑丈な躯体”をつくる、というのがこの建物のチャレンジの一つ。もちろん、簡単なことではありません。
日本のやり方を参考にしつつ、現地の環境・技術・材料に合った施工方法をうみだすため、台湾チームによる検討が急ピッチで進められています。
ちなみにこの建物の複雑な形は、実際の敷地にて施主と建築家の脳波をNeurosky社のポータブルBCI(Brain Computer Interface)ヘッドセットを使って記録し、そこから導かれたものです。おそらく世界初の「脳波建築」といえるのではないでしょうか。
ENISHI RESORT VILLA
2015年7月10日から7月19日まで開催された、「ARCHI DEPOT TOKYO」にこの【ENISHI RESORT VILLA】の模型が展示された。
「ARCHI DEPOT TOKYO」とは、イタリア・ミラノ万博公式イベント開催中のミラノトリエンナーレ美術館にて、世界で活躍する40名の日本建築家の建築模型展である。
万博期間中のJapan Day(7月11日)をはさんだ10日間に行われ、日本の建築文化を世界に発信した。
建築模型は、建築家がデザインの研究やプレゼンテーションをする際に製作するもので、さまざまな材料、手法、縮尺によって表現されている。近年、CGや3次元プリンタが普及し建築模型が制作されなくなってきている傾向がある。そこで、日本のさまざまな建築家による模型を展示し建築模型が持つ魅力や文化的な価値を伝えた。