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Processingとは?

Processing(プロセシング)は、キャセイ・レアス(英語版)(Casey Reas)とベンジャミン・フライ(英語版)(Benjamin Fry)によるオープンソースプロジェクトであり、かつてはMITメディアラボで開発されていました。電子アートとビジュアルデザインのためのプログラミング言語であり、統合開発環境であります。アーティストによるコンテンツ制作作業のために、詳細な設定を行う関数を排除しています。 視覚的なフィードバックが即座に得られるため、初心者がプログラミングを学習するのに適しており、電子スケッチブックの基盤としても利用することができます。Java を単純化し、グラフィック機能に特化した言語といえるでしょう。

​使い方

Processingでは、例えば線を1本を引く場合こんなふうにコードを書きます。
IllustratorやPowerPointなら直線ツールをクリックして端点をちょいちょいと指定するだけで描けますが、Processingではこのように「Processing語」でコンピューターに指示をしなければいけません。「何でそんな回りくどいことを?」と思うかもしれませんが、IllustratorやPowerPointのようなアプリケーションソフトの“中身”には、これと同じように直線を描く命令が「コンピューターの言葉」で書かれているんです。「プログラミング(の習得)」とはこの「コンピューターの言葉」を理解することにより、コンピューターの能力をより自由に、強力に引き出すことなんですね。辻講師が講義の中で繰り返し「プログラミングと外国語の学習はほとんど一緒」と口にするのですが、Illustratorのようなアプリケーションを「指差し会話帳」のようなもの、プログラミング言語を「外国語そのもの(を使いこなす能力)」と考えると、なんとなくその意味が分かるのではないでしょうか。

「コンピューターの中に自然がある」で触れたように、建築の設計という作業は、いずれそう遠くない将来に、「コンピューター言語を書く」ということに還元されることになるであろう、ということも間違いでないことになります。

恐らく、今後の建築家としての空間・デザイン発想の初期の段階(今でいうスケッチ)での才能は、「コンピューター言語を書く能力」ということとパラレルになってくる筈です。
近い将来、この能力を欠いている者は、初期段階(スケッチ)での「発想」は、凡庸な経験と習慣にまみれた“手”だけによる“どんぐりの背較べ”、すなわち、どこの 誰にでもできるような凡庸なものになってしまう危険があります。

ですから、真正面から建築文化を豊かにしようとする建築家を志そうというならば、人としての精進、設計方法や施工、法規や英語の勉強をしたりするのと同じように、「コンピューター言語によって、世界の成り立ちを記述する方法」を勉強して行くことが不可欠となります。これが、未来の建築へのひとつの重要な準備であります。

つまり、“建築を設計するという行為”は、今後、頭の中にイメージされた空間を紙の上にトレースすることから、「コンピューターによってプログラムされた自然の摂理が紡ぎ出す、人間にも予想不能な偶然に己を委ねる」ということへシフトしていくであろうということです。
これはそのまま、「自然に己を委ねる」ということと理解してしまっても間違いありません。

この「コンピューター言語」の作成ソフトがProcessingです。彼等は、これらのコンピューター言語は、今の時代の小学生なら誰でもがすぐに習得できるものである、と断言します。つまり、芸術は、もっともっと身近で日常的なものになってゆくのです。

新しい建築の設計図

​前田紀貞アトリエ:http://maeda-atelier.com/

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