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「n o t」は【近代建築の論理】、「非」は【現代建築の論
理】と言うことが可能だ。
前者は世界を都合のよい部分だけ分別し中心のみを抽
象するが、後者は周縁も含めた“世界のありのまま”
と受け入れる深さがある。それは、ピントを合わせる
だけでなくピントをボカす力である。答を出すだけで
なく答へ至るシステムを発見しようとすることができ
る。名付けだけでなく無名のまま放置しておく度量が
ある。必然を信じることと同時に偶然に身を委ねる術
を知っている。作家の強烈な我より無我であることの
強みを手にしている。抽象で捨てるより具象のまま残
すことの広さがある。解析によって鳥かごに閉じ込め
るより混沌や矛盾という大空を呼吸している。自律と
同時に他律に敬意を払うことを心得ている。欧米だけ
に曇らされることなくバナキュラーな視力も同じに扱
える。無機に有機を、隠喩に換喩を、“or”に“and”を、
説明に呪縛を、論理に非論理、そして言葉に言葉を超
えたものを込めることができる。

近代建築 → 現代建築

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