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敷地の中に建築物を設置するには二つの方法がある。
「彫刻型」と「ランドスケープ型」だ。
「彫刻型」とは、建築が敷地とは独立したものとして
土台の上に彫刻作品が鎮座するようにして置かれる方
法。一方、「ランドスケープ型」とは、建築が敷地(ラ
ンドスケープ)と分け隔てなく溶解させられるように
して設置される方法のことだ。後者は、「建築は敷地
の中にある」だけでなく「敷地は建築の中にある」と
いう風体を示すこともある。
これは単純に地の上に図があるのではなく、グラ
フィックデザインの裁ち落としやスーラージュの絵の
ように、図が地のフレームによってたまたま切断され
る、という流儀に依っている。結果、建築(図)の力
は敷地(地)の外へ流れはじめ不可視の余韻が生まれ
る。建築と敷地、図と地。こういう対極は、いつも捻
るようにしてみることが肝心だ。

建築の中にある敷地

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