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昨今、「建築の消去」という言葉が、巷で流行している。
繰り返すが、こういった単純な二律背反が結果すると
ころはあくまで、n o t【実体的な建築】の域を出るこ
とはない。だから【非実体的な建築】はOK で【実体
的な建築】はNG という片極を結果する。この片極を
憧れ求めんとする西洋視線である限り、建築の質は永
遠に迷子のままだ。実体に飽きれば非実体、非実体に
飽きれば実体、というふうに。これこそが、人に建築
と人生を間違えさせる。
君の中に少しでも「東洋」が住んでいれば、「建築の
消去」を考えるに際し、それをn o t【実体的な建築】
でなく非【実体的な建築】として扱ってみることがで
きるようになる。こうすれば、【実体】と【非実体】
は喧嘩することがなくなり、振り子の振れがどうであ
れ、その結果に一喜一憂することがなくなる。大切な
のは、振り子の“支点”その“振り方”だったのだから。
そういった思考のマナーこそが必要とされるのだ。

建築の消去

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