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かつての人類には十五感ほどあり

その後 十感が “理性” によって

錆びついてしまい

ようやく残ったのが今の五感である

という説がある


よだかの鳴き声に音程を聞き

寄せ返す波に色を見る感覚など

もはや現代の僕たちには完全に失われてしまった


当初の十五感は

縫い目の無い一如(ワンネス)であって

それらの芳醇な感覚は

各々が孤立することなく
液体みたいに溶け合っていた

 

しかしその後

それらを “理性” という冷気が

見事に液体を固体化してしまったお陰で

残った五感も

互いに対話し合うことを止めてしまった

 

こういうことを “世界が痩せる” と言うのだ

 


君が本当に未来の現代建築を

考えたいのであれば

「言語化できない建築」

にこそ焦点が当てられるべきだ

 


君のポケットには

言語化と非言語化の

両方のコインが入っていなければ

現代建築を買うことはできない

言語化できない建築

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