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僕は始終 学生たち相手に

一貫して大まじめに

「水商売」の所作について話してきた。

水商売では他の職業以上に特に

“世界の均衡への配慮“

が必要となる。

鎌倉時代の禅僧道元だって

“典座教訓”で同じ言葉を残している。

 

無菌のガラス箱で過保護に守られ

育てられてきてしまったまやかしの知性など

建築真剣勝負の場では何の役にも立たない。

衛生管理、メニューと金額、酒や料理の味、

仕入れ、在庫管理、店のしつらえ、宣伝広告、

室温、照度、音楽の種類や音量、臭い、身なり、

接待の雰囲気、礼儀作法、タイミング、

灰皿と取り皿の交換、什器の乱れ、

来客どうしのバランス、

聞いてよいこといけないこと…。

これらはエリート養成訓練ではなく、

在野の最前線、生身の人間相手に

 

“何が過多で何が不足しているのか”

そのアンテナを張り続け世界を観察する

人間の精進に他ならない。

水商売

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