「抽象」とは
ありのままの具象世界の中から
“捨てるもの” を分別する作業だ
芸術家の世界観は
この分別から現われ出るのだが
実のところ
如何なる芸術表現も
「抽象」でしかあり得ない
或いは僕たちの“認識”ですら既に
世界の都合よい部分以外を
ゴミ箱に捨てた結果としての「抽象」に過ぎない
今後芸術がこれと反対のこと
すなわち
世界の如何なる部分も
捨てずそれをあるがままに
捉えようとするようになれば
光も影も
善も悪も
ワンネス(一即多、多即一)として混ぜられ
建築は
「近代」を脱することができるようになる