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哲学を勉強し始めた最初の頃

本を読んでも

ただただ字面を追うだけの年月が

10年間も続いた

だが11年目のある日 突然

少しだけ何かが開けた瞬間があった

それは、突然 自転車に乗れるようになる

あの瞬間と一緒の感覚だった

難解な字面を追っていただけの

退屈な10年は無駄だったのでなく

 

土の下でジュクジュクと

何かが熟成するに必要な時間であった

そのことがその時ようやく了解できた

ひたすら

己の「無能」に耐えるべし

無能

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