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「土門拳」はシャッターを切る瞬間

獣のように叫び吠えたという

 

それは彼が世界を

とことん観察し得たことの証しとしての

どうしようもない野性の漏れ

であったに違いない

 

或いは、

土門の狂気は

「俺は最初からプロだった」

とも豪語する

そんな 毛穴から異臭を放ちまくる

猛獣のような若者が建築界に出現し

今のヌクヌクした界の状況を

自信満々に蹴り飛ばしてもらいたい

本気で僕はそう願う

だが残念なことに

そんな体臭の若者に

最近とんとお目にかからなくなった

 

誰もが

前年の卒業制作や建築雑誌で見かける

程度の安ネタを上手に拝借して

お手軽に建築を済ませてしまおうとする

或いは、

老化した熟練の技が君の歳で披露される……

今の日本の建築界

 

これが僕には実に恐ろしい……

土門拳

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